哲学カフェ QUALIA

肌で感じたことを言葉にする

【コラム】哲学カフェってなんだろう?

哲学カフェってなんだろう?

◇ 哲学カフェはフランスから始まった!

フランスでニーチェの著作を翻訳するなどしていた哲学者マルク・ソーテ (Marc Sautet,1947-98) は、1992年12月13日に初めての哲学カフェを開きました。会場は、バスティーユ広場のパリ4区側にあるカフェ「カフェ・デ・ファール (灯台カフェ,Café des Phares)」。

ソーテは日曜日になると友人を集め、哲学的な対話 (「考え方の喧嘩」"conceptual fisticuffs") を行っていました。

上流階級だけに限られたアカデミックな哲学ではなく、一般市民向けに広く哲学的な考えを深めていくことが重要と考えたからです。これは現在の哲学カフェにも受け継がれている理念と言えるでしょう。

◇ どんな人が集まる?

ソーテの哲学カフェは、初め10人ほどで始めた対話も、一般市民や大学生、タクシードライバーなどの目を惹き、次第に参加する人が増えていきました。毎週開かれるようになってからは、なんと200人ほどが集まるほどの盛況ぶりを見せました。

昨今の哲学カフェにも、哲学を専門に学んだ人から、作家や会社員、大学生など、多様な人が参加しています。

◇ どんなことを話し合う?

ソーテの哲学カフェでは、サンタクロースなどの日常的な事柄から、真実や美など本格的な哲学的テーマを取り上げたりもしたそうです。まさに多様なテーマについて、広く話し合われたといいます。

昨今の哲学カフェでも、美しさや善悪、法、死などの固そうなものから、居場所や恋愛、自信など日常的な言葉、アニマルライツ環境倫理、LGBTQなど現代的なテーマについて、多様な事柄が取り上げられます。

◇ どうやって話し合う?

細かいルールはないと言っていいでしょう。むしろ、哲学カフェのスタイルと言えるものがあると思います。いくつか例を見てみましょう。

  • カフェなどのオープンスペースで行う
  • 着席や退席は自由
  • 発言はしてもしなくてもよい
  • 人の話をよく聞く
  • 他人の意見を全否定しない
  • 難しい言葉を遣うときは、分かるように説明する

これらの他に、それぞれの哲学カフェの特色として、明確にファシリテーターを置いたり、初めに自己紹介をしたり、対話の過程をホワイトボードに記していく、コミュニケーションボールを持つ人だけが発言できるなど、いろいろなスタイルが見られます。「人それぞれだから...」のような、思考停止を促す発言を禁じるところもあるようです。

そのスタイルのどれもが、参加者の自由な思考、発言などを促し、安心して対話できる環境を整えるためにあります。「哲学って詳しく学んだことはないけど...」という人も、普段感じている閃きや違和感を表明し、共有し、多様な視点から論理的に見つめ直すことが、大切なのではないかと思います。

◇ 日本の哲学カフェ

日本の哲学カフェは現在、全国各地で行われています。

特に東京は、独自に発展していると言えるほど、多種多様な哲学カフェが、毎週のように行われています。

哲学カフェに興味をお持ちの方は、まずはぜひ 哲学カフェ・哲学対話ガイド をご覧ください。

www.135.jp

各地域の哲学カフェの情報と、東京を中心とした首都圏の哲学カフェ開催情報のカレンダーを、見ることができます。

ぜひ参加してみてください!

◇ 哲学カフェQUALIA はどんなところ?

まず、クオリア(英:Qualia)とは、「感覚」それ自体のことを言います。「リンゴの赤い感じ」のように、主観的に体験する質感のことです。

人それぞれが肌で感じたことを、ちょっと立ち止まって考えてみて、言葉にしてみる。そして、それについて話し合う。こういう思いから、この哲学カフェを「クオリア」と名付けました。

哲学カフェQUALIA が大切にする10のスタイルは、次の通りです。

  1. カフェのようなオープンスペースでリラックスして対話する
  2. 参加資格を問わない
  3. 途中参加や退席、離席 (トイレや外の空気を吸う小休止など) は自由、参加申し込み不要
  4. 参加費は無料
  5. 発言は自由 (聞くだけでもOK)、自己紹介もない
  6. 人の話をよく聞く、分からないことは積極的に尋ねる
  7. 他人の意見を全否定しない
  8. できるだけ分かりやすく話す
  9. 主役は「あなた」
  10. 参加者やカフェなど、その場をリスペクトする

これらのスタイルを軸に、哲学カフェを運営しています。年に数回ほどイベント会がありますが、そのときは会場が大きく変更になったり、費用が発生したりします。

原点回帰と気軽に参加できる哲学カフェを目指してできるだけ制約がなく、安心感のある進行・運営の仕方を模索しています

開催の拠点は主に、

を中心にしており、月に1~4回ほど開催しています。

ぜひご参加ください!